大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和23(れ)1680 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人上告趣意について。

被告人は、自分の行為は殺人にあたらない趣旨のことを述べているが、場合によ

つたら人が死ぬかも知れないと意識しながらピストルを人に向けて発射し、その結

果弾丸が命中して人が死んでしまつたら、たといその人を殺そうと思つて射つたの

ではなくても、結局人を殺す犯意があつて人を殺したこととなるのである。従つて、

原判決が被告人は巡査部長を射撃して、同人が被告人を追つかけることのできない

ようにしようと思つて、ことによつたら同人を射殺す結果になるかも知れないが、

それもやむを得ないと考え、ピストルを同人に向け発射し、同人が死んでしまつた

と認定した以上、被告人が殺人罪に問われるのは当然であつて、原判決の法律適用

は正当である。

なお、上告論旨は、証拠の取捨、事実の認定及び量刑の不当について非難を加

えているが、これらは専ら事実審である原裁判所の職務と職権に属する裁量事項で

あるから、法律審に対する上告適法の理由とはならない。従つて、上告理由は採用

することができない。

弁護人隈部種樹上告趣意について。

論旨は、結局原審の事実認定を非難するに帰着し、上告適法の理由とすることを

得ない。

よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 十蔵寺宗雄関与

昭和二四年二月二四日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 真 野 毅

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 岩 松 三 郎

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